2007年06月28日

業務効率化の目的は「投資の余資」を作ること

文責:中村厚(営業グループ)

少し前の日経新聞に内閣府がリポートした労働生産性について記事があり、日本のそれは米国の7割しかないというものでした。

このリポートによると1990年代半ばまでは米国と日本を含む先進国との格差は縮小傾向にあったそうですが、半ば以降は横ばいないし拡大傾向で推移し、2000年以降から更に米国の生産性上昇率が加速し始めたそうです。
これは「第二の波」と呼ばれる現象で、興味深い点はIT投資の効果が遅れて現れてきたという考察です。
IT化による生産性の向上には、組織形態や生産(業務)プロセスの改善、教育訓練等の投資を伴い、効果が顕在化するのに時間を要するというものです。

これは私共が携わる間接材購買においても同様と思い、私なりに仮説を立ててみました。

業務効率に視点をおいた場合、まず業務を洗い直して電子購買化するとバイヤー企業の申請・見積・承認・手配・検収・請求支払照合などの業務が効率化され、特に管理部門に大きな成果をもたらします。
これが「第一の波」、つまり米国が世界に先駆けてIT化を推進した結果、他の先進国よりも生産性が上昇したのと重なります。

次に、この効率化によって生み出されたリソース(人あるいは時間)を使い、電子購買化によって蓄積できた購買実績データを元に、新たな購買改善機会を抽出してソーシングを行い、物品コストやサービスレベルを見直し、継続的に支出削減を実行します。
これが「第二の波」と考えます。

但し、「第一の波」を起こすには、電子購買の文化を社内に定着させる前提条件があり、その為には購買の体制・規定・システム・現場教育など購買機構の整備(投資)が必要です。

「第二の波」を起こすには、間接材購買特有の幅広い商品や業界知識の習得など、人材の育成(投資)やいわゆるナレッジ化を伴います。

日頃、お客様と一緒に取組んで感じるのはこうした考え方を経営層に正しくインプットする事の難しさです。
IT化の目的を単に業務効率として説明すると、「業務効率化はIT化云々の前に業務としてやって当り前」という理解になり、IT化投資を論ずる以前の問題になってしまいます。

業務効率化を「目的(=成果・収穫)」として経営層にご説明するのではなく、「第二の波」を起こす為の言わば「投資の余資」を作るためとご理解いただく事ができれば、日本企業の間接材購買は変革に向けて大いなる一歩を踏み出すものと考えます。

お時間のある時に内閣府のリポート(数ページです)に目を通していただくと、私の乱文の意図するところをご理解いただけるかも知れません。

【日経記事】
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070605AT3S0500Z05062007.html

【内閣府リポート】
http://www5.cao.go.jp/keizai3/2007/0605sekai071-s.pdf#search='%E5%8A%B4%E5%83%8D%E7%94%9F%E7%94%A3%E6%80%A7%20%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%B5%8C%E6%B8%88%E3%81%AE%E6%BD%AE%E6%B5%81%E2%80%95%E2%80%952007%E5%B9%B4%E6%98%A5'